税理士の桐元久佳氏が私の人間繁盛学を簡潔に上手に要約してくださっています。 [日新税理士事務所]
桐元氏はとても素晴らしい先生で、何度も当山の寺修行を受けておられます。
人間を元気にする私のオリジナル的な人間学を「人間繁盛学」と申しています。
この人間繁盛とは私の造語で、一言でいえば「生き生きわくわく元気で魅力的な人間」の事です。
大阪の船場で長年、商売繁昌を唱えていたところから生まれた言葉です。
経営者と宗教者の同時進行で約半世紀、両極のような現場で掴み取り練り上げた、私なりのユニークな人間観、人間論です。この度、そのこだわりを一冊の本にまとめ、出版しました。
この人間社会、人間で成り立ち、人間関係が大変重要です。しかし最近の人間関係は対面でなくスマホ等の携帯機器で間接的にやりとりをしており、人情の機微等が掴めなく、人間関係に悩んでいる人が益々増えております。これは大変由々しき問題です。これこそ人間疲労 人間貧乏の世界です。
人間繁盛する為には「敵を知り 己を知れば 百戦危うからず」(孫子)という言葉があるように、先ずこの人間を良く知らなければなりません。しかし、長年人間をやっていてもこの不可思議な人間を知る事は容易な事ではありません。
私も経営の現場で、社員との人間関係で地獄を体験すると共に人間のサガみたいなものを嫌というほど見せつけられ、大いに悩み苦しみ人間不信に陥り、これが私の人間探求の起爆剤になりました。
私の人間繁盛学は、先ず己の生命の存在が奇蹟であり、大変貴重な命の自覚からがスタートです。
この人間は誰しも二面性を持ち、本音と建前を使い分け、自分を良く見せる為に常にカモフラージュして、本性を見せないものです。国や民族や時代によっても、意識や価値観や習慣が違っておりこの人間という生き物、大変なるやっかいものです。
この不可解な人間を理解する為に私のアイデアで、この人間の持つ二面性をあえて動物性(本能)と人間性(理性)に分けてみました。そして動物性のモノサシで人間を見ると、大変良く分かる事にも気づきました。私の人間繁盛学の独特のところは、生命の元である動物性を肯定する事です。動物性を受け入れる事により罪悪感や自己否定から解放され楽になります。エネルギーも高まり元気も出てきます。その上に自分も他人も肯定し、赦す事ができるようになり、人間観も大きく変わってきます。
動物性の源である「欲」が強く、人間性の基である「愛」が豊かで、車の両輪のようにバランスがとれ相乗効果を上げている人が人間繁盛の人間と定義づけています。
人間貧乏を乗り越え、人間繁盛を実現し、本番の人間立派を全うする為に、根幹的なテーマである「人間とは」「自分とは」「生きるとは」「働くとは」「何の為に生まれてきたか」「使命とは天命とは役目とは」等を逃げる事なくしっかり自分と向き合い探求し、奇跡的に授けられた生命の意味と価値と意義を自問自答し確立する事が、人間としての重要なテーマであり人生の勝利者への道と考えています。
このテーマへの解答は各個人によって違い、又非常に難解な事もあって、学校や家庭や社会でもほとんど教えられていません。人間にとって最重要な生き方の人間学が欠落している事が、現代の教育の最大の欠陥だと考えています。今の若者達にとって大変な不幸で残念な事です。日本の未来を背負う若者達に早急に人間学を教える先生の育成と教えられる機会を与えるべきです。それを若人達が心から望んでいる事も私は寺の現場で痛感しています。若者の育成が日本再生の要だと私は考えています。
私は立派な哲学者や宗教家や教育家ではありませんが、勝光寺の一僧侶として根幹となる人間観・人生観・仕事観・金銭観等の健全なる価値観を教え刷り込む事が私達宗教者の使命だと考えております。
今私は70有余年の人生と長年現場で培ってきた体験と、多くの恩師や先生方から学んだ事をべースにして、この人間学を教えるのに最適の寺という現場にいます。私流の人間繁盛学や滝行を始めとする寺修行で若者達にぶつかり自己変革のヒントやキッカケを与え、人間として生まれてきた意味と価値を掴み取ってもらうように人間繁盛のノウハウを全力で伝授致しております。
先ず、己の存在があらゆるもののご加護により奇跡的に授かった生命である事に気づき、自信と夢と誇りと感謝と責任を自分のものにしてもらう事に力を注いでいます。
私が人間繁盛するのに最もこだわっている事に、貯金型(人間性−ギブ型)と借金型(動物性−テイク型)があります。人間繁盛するのに、貯金型(利他)になる事です。これが一番の近道です。
「人生は自力と他力と運で決まり」です。貯金型になる事で他力と運を引き寄せます。己にも貯金型になる事で自力も高まります。仏典の中に私の大好きな「無財の七施」というお経があります。蔵に宝物が一杯に貯まるという教えです。お金や物を使わない貯金(施し)の事です。コストゼロの貯金です。これがまた商売繁昌や人間繁盛の妙薬となります。
もう一つ皆様に人気のある「振り子の法則」があります。右に振れたら左に振れる。左に大きく振れたら右に大きく振れる。プラスに振れたらマイナスに振れる。苦に振れたら楽に振れる。何かを得たら何かを失う。片振りは存在しないものなのです。人生とはマイナスをプラスに変えるものでもあります。
呼吸を考えると良く分かります。吸えば吐く。吐けば吸う。大きく吐こうとすれば大きく吸う。常に一対で存在し、対で成り立ち片方では成り立たないし、それにインプットとアウトプットも価値が等しいものなのです。挫折やピンチがあってもへこむ事はありません。やがて作用反作用でチャンスに向かい「しまった」から「しめた」に変わるものが振り子の法則です。落ち込む事はいりません。
そして年配者にインパクトがあるのが、仕事人が終わってからの使命人が人生の本番だとするのが私のこだわりです。人生を3段階に分けて、20歳頃までが勉強人(借金型)、60歳頃迄が仕事人(プラマイ型)、それ以降は使命人(貯金型)で人生の黄金期で本番だと力説しています。天が生命を授けられる時に、各自に使命・天命・役目・志を与えておりそれを全うするのが使命人です。自利より利他、余生より与生で生きる時、生命が最も喜び人間として生まれてきた意味と価値をかみしめ、最高の豊かさと幸せを実感します。それこそが人間立派であり、人生の醍醐味を味わう時です。
全国に8万社もあると言われているお寺ですが、亡くなられた人だけでなく、生きておられる人達や日本の将来を背負う若者達に門戸を開き、今こそ私たち僧侶が立ち上がり、人間の生き方を教える時が到来しています。その事を教えるには寺の環境が最適です。以前のように寺子屋塾を復活させ、今最も欠けている人間学を教え、世界から尊敬され信頼される日本人を育成する事が我々僧侶の重要な責務と考え、行動を起こす時だと考えています。
私達 勝光寺も人間繁盛応援寺として人間貧乏から、人間繁盛、人間立派へと導く事を天命と考え、本気で若者達にぶつかっています。他の寺院も生きておられる方々にもっと積極的に取り組んで頂けるように私達勝光寺も手を差し伸べ全力で応援したいと考えております。
私の人間繁盛学講義は若者達にも受け入れやすいように宗教的、霊的、精神的な固苦しい教えを避けて、現実的で実戦的でわかり易く、受け入れ易いように伝えるとともに、寺修行の滝行や読経、座禅 作務等で心身の鍛練を行い、人間力を向上させ子孫の為にも人間繁盛に取り組んでもらっています。
詳しい事は私の本「人間繁盛学の法則」(致知出版社)は日本の将来を築く多くの人達が人間力を高め人間繁盛していただけるように、体験の中で掴み取ったものを熱い熱い思いで綴っています。
ご拝読いただければ大変光栄であり有難いことです。 合掌